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第2章:狩猟採集から稲作へ:日本の古代における「動物」の役割と共生

縄文時代から続く?古代日本の犬と人の絆の初源

記事を書いた人

  1. 都心で住まいの設計事務所を主宰して三十数年
  2. ここだけの話、噛みつかれたことがあり、実は犬が苦手
  3. 最近、友人がペットロスで項垂れている

2-1. 縄文・弥生時代:狩りの相棒、それとも魂の家族?

今、私たちの横でゴロゴロと寝ている愛しい「うちの子」。
彼らのルーツを辿ると、なんと1万年以上前の縄文時代にまで遡るのをご存知ですか?

当時の日本は、食料を求めて移動する狩猟採集の時代。
現代のような「ペット」という概念は当然ありませんでしたが、犬の祖先であるが人間と共に暮らし始めました。
なぜでしょうか?

それは、生きるための「必要性」が、お互いを強く引き合わせたからです。

犬は、鋭い嗅覚と聴覚で獲物を見つけ、人間は、その犬を守り、食べ物を分け与える。
この、命がけの「ギブ・アンド・テイク」の関係が、信頼という名の絆を育んでいきました。
犬がいなければ、厳しい自然の中では生き残れなかったかもしれません。

考古学的な調査では、縄文時代の遺跡から、丁寧に埋葬された犬の骨が発見されています。
ただの道具なら、埋葬する必要はありませんよね。
丁寧に葬られた事実は、彼らが「共に暮らした大切な仲間」「魂を共にする存在」として扱われていた証拠。
古代の人々も、私たちと同じように、犬を家族として愛し、死を悼んでいたのです。

この、厳しい環境の中で生まれた「運命の相棒」という意識こそが、私たちとペットの絆の、最も古いルーツなのかもしれません。

2-2. 共存か、支配か?「家畜化」の始まりと別れ道

時代が弥生時代に入り、日本に稲作が伝わると、人々の暮らしは大きく変わります。
狩猟採集から定住生活が中心となり、食料の確保が安定しました。

ここで、動物たちとの関係に大きな変化が訪れます。それは、「家畜化」の始まりです。

豚や鶏、牛などが、食料や労働力として人間の都合に合わせて飼育されるようになりました。
彼らは、人間が生きるための「経済動物」という役割を与えられ、古代の犬が持っていた「魂の仲間」という地位からは遠ざかってしまいました。

現代のペットは、この「家畜」の対極に位置する存在です。
私たちは、愛する「うちの子」に「働くこと」を求めません。
ただ、そこにいてくれるだけでいい。

でも、この弥生時代に始まった「動物を支配する」という考え方は、実は現代のペット業界が抱える問題(大量繁殖や劣悪な飼育環境など)のルーツにも繋がっているのかもしれません。

古代の共存から「支配」へと変化した歴史を知ることは、私たちが「うちの子」を「経済的価値」ではなく「精神的価値」で愛していることを、改めて心に刻むきっかけになるはずです。

2-3. 神の使いとしての動物たち

古代の日本では、動物は単なる「相棒」や「食料」としてだけでなく、「霊的な存在」「神の使い」としても崇められていました。

『日本書紀』や『古事記』といった古い文献を読むと、動物たちが神聖なメッセージを伝えたり、不思議な力を発揮したりする話が多く登場します。
特に、山の神の使いとしての(後に犬)や、縁起物としてのなどは、人々の信仰の対象でした。

現代でも、神社の「狛犬」は、神様の領域を守る神聖な存在ですよね。
これは、古代から続く「犬は聖なるもの」という考え方が色濃く残っているからです。

私たちが「うちの子」を特別な存在と感じるのは、彼らが持つこの「霊的な力」「無垢なエネルギー」を、本能的に感じ取っているからかもしれません。
動物は私たち人間よりも自然界に近く、その生命力や純粋さが、古代から現代まで、私たちに「大切な何か」を伝え続けているのです。

2-4. 第2章のまとめ:古代の共生スタイルから学ぶ現代の絆

縄文から弥生にかけての日本の歴史は、私たちと動物たちの関係が、「共に生きる(共生)」「利用する(支配)」という二つの道を辿ってきたことを示しています。

現代の私たちが目指すのは、もちろん「共生」の道です。私たちは、愛する「うちの子」に、古代の仲間たちが持っていたような、お互いを信頼し、支え合う対等なパートナーシップを求めているのではないでしょうか。

この古代の歴史を知ることで、私たちは、ただ美味しいご飯を与えるだけでなく、彼らの持つ本能や霊的なエネルギーを尊重し、安心と信頼という「心の栄養」を与えることの大切さを再認識できます。

次章では、時代を中世・近世へと進めます。戦乱や厳しい身分制度の中で、動物たちはどのようにして権威の象徴となり、やがて庶民の「癒やし」へと変化していったのか。綱吉の「生類憐みの令」という歴史的な出来事の裏側にある、切ない動物愛の歴史を紐解きます。

どうぞ、お楽しみに。


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